沼田は短くなった煙草を、灰皿に強く押しつけた。 そういえば、一晩帰ってこなかったことがあった。 もっとも、タカヤが帰ってこないことなんて、しょっちゅうだったから、気にも留めていなかった。 いや。 本音を言えば、気にはなっていた。 タカヤは、売り物のコカインをくすねてはトリップしているから、下手に捕まると、こっちまで引っ張られかねない。