ーーピンポーン

志歩だ!

「はーい!」

ドアを開けると志歩が不満そうな顔をしてた。

「ど、どうしたの……?」

恐る恐る聞いてみた。

「どうしたの?じゃないよ!どうして言ってくれなかったの!?そんなに私、頼りないかな!?」

輝から聞いたんだ……

「ごめん。全部話すね。」



ーーー昨日あったことを全て話した。



「そっか。成瀬くんにそんなこと言われたんだ……」

「うん。」

「で、茜はどうしたい?成瀬くんを引き戻したい?それとも、成瀬くんを応援したい?」

「私は……輝が大好き。だから……だからこそ!輝のことを応援したい。」


そう。大好きな人がもうこっちを見てくれないなら、背中しか向けてくれないなら、その背中を精一杯押してあげる。

それが今の私に出来ること。


「うん。よく言ったね。まぁ、成瀬くんのこと諦めるのは、少しずつでいいから。あ、あと、これからは、何かあったら私に言うこと!これでも一応親友なんだからね!」

「うん。いい親友を持ててよかったよ!ありがとね!」

「いーえ!さ、学校行こ!遅れちゃうよ!」

「そうだね!」



そうだよ。少しずつ諦めていけばいいんだよ。