そして入学してから2週間程たったある日……



「輝!帰ろ!」

帰りはいつも2人だ。


志歩は「帰りはお2人で♡」なんて言いながら梓紗ちゃんと帰っているから。
実は、梓紗ちゃんは4月にこっちに引っ越してきて、志歩の家の近くらしい。



しかし、輝の様子がおかしい。

「……」

「輝?おーい!」

「……え?あ、おう。帰ろうぜ。」


輝どうしたんだろう?何か考え事かな?



「あのさ……」

「……?どうしたの?」

「茜に言わないといけないことがあるんだ」


嫌な予感がする……


「俺さ……茜のこと、もう、好きじゃないから、別れてくんね?」


ほら、やっぱり……

「えっと……それ、ほんと?」

「ほんとだよ。他に好きなやつができた。」

「そ、そっか……」

「うん。ごめんな。今までありがとな。」


あぁ。だめだ。今、輝の顔見たら泣きそう。
いつかはこうなるってわかってたのにな……


でも、気まずいままじゃ嫌だ!

「ひ、輝……!一つだけお願いがあるのっ!」

「ん?」

「一緒に学校に行けなくてもいい。だから、今まで通りに友達として話すことってダメかな?」

「いいよ。ほんと、ごめんな。」

輝はそう言ってその場を去っていった。



あーあ。ついに振られちゃった……