キーンコーン
カーンコーン…





「では、これから明後日から2泊3日で行われる、オリエンテーション合宿についての話し合いをはじめます」




榎本がみんなを見回してそう言った。
そして、私の方を意味あり気な笑顔で見つめてから



「今日の話し合いは、首席入学者という理由で委員長役をしてもらうことになった、立花にやってもらおうと思う。」




ほら、やっぱりきたよ。
あの笑顔、不気味すぎる…




「何をしてるんだ立花!前に来て挨拶してくれ!」




笑顔でさらっとむかつくことを…(笑)




仕方なく前に出ていくわたし。




「えっと、委員長役の立花 空です。よろしくお願いします!」




パチパチ…


よかったぁぁぁぁ!すべらなくてよかった…




それからは、あっという間にすぎていき、私は先生にもらったパンフレットを見ながら説明するだけだった。



そして、班決めの時間…



「班は、くじ引きで決めたいと思います!」




先生によると、この班で2泊3日ずっと一緒に過ごすらしい。
仲良くなれるといいな‥

1班につき5人ずつで、6班ということになった。




「順番にくじ引きを引きにきてくださーい!」




いろんなところから、楽しそうな声が聞こえる。
みんな、合宿というのもありそれなりに楽しみなようだ。




「私は…3班か。」



「班ごとに集まってください!」




私が言うと、それぞれが集まりはじめ、歓声や奇声やらが聞こえてきた。



私が3班に行くと、そこには。




「おお!空じゃん!」




「わぁーい!空と同じだー!」



音弥に愛来!!
最高じゃん!


「うっわーー!ゴリ空と一緒とか、ないわー」



うっっ…こっちには大輝…
音弥と愛来はいいのに…台無しだ。



そして、知らない女の子が1人…

誰だろ!?




「あ!私は東雲真莉(シノノメマリ)だよ!私も3班なんだ!よろしくね」



「よろしくー!」




音弥と愛来も笑顔で答えると、東雲さんは優しくほほえんでくれた。


感じのいい子だなー!



「さっそくなんだけど、愛来と空ってよんでもいいかな?」



「もちろん!」



私と愛来がそろって答える。


そんな感じで真莉と愛来と話していると、
もう1人男子がこっちに歩いてきた。




「お前も3班なの?よろしくな!」




大輝が話しかけた方を見て、私は息をのんだ。
だって、そこには





「あ!」



「え?ウソ?」





2人の声が、重なった気がしたんだ。