「ユメ?どうしたの?」


ベンチから私のいる入口のほうへ。
トテテッて音が似合うような歩き方。



「…っ本当に、ミウなの………?」


ようやっと出た言葉。
そんな私の質問に、ミウはふっと笑った。




「うん。ミウだよ?」




おそるおそるミウの白い頬に手を伸ばす。
その手は空を切ることなく、スベスベの人肌に触れた。
ミウは猫のように、私の手にすり寄った。


「ミウ…っ!!!」



ぎゅうっとミウを抱きしめる。
存在を確かめるように。


「ユメ、どうしたの?」


「ミウだ…っ!本当にミウだ…っ!!!」


「ふふっ。変なユメ。」