ダントツ!!16番人気の翔馬くん

『お前は、ただ自分を好きでいてくれる…そんな如月との関係が心地よかったんだろ?』


翔馬はコクンと頷いた。


『それが付き合う…彼氏彼女の関係になっちまったら事情、変わっちまうもんなぁ…。』


俺は胸ポケットからタバコを取り出し、そこから一本だけ抜き取ると、フィルター部分を膝の上へとトントンと当てた。


『休みの日にはデート連れて行け…だの。学校では新聞ばっか読まずに話しよう…だの…。』


『…。』


『でっ、望み通り話してやったらやったで、ちょっとでも馬関係の話が出たらすぐむくれる…。』


『…。』


『そして結局、“私と馬、どっちが大事なのっ!!”…こっちの言い分なんてなんにも聞かずに、勝手にキレて…はい、サヨウナラ…だもんなぁ。』


翔馬は俺の話を黙って聞きながら、グッと唇を噛みしめていた。



そして俺は、そんな翔馬を見ながらフッと小さく笑みを零した。