ダントツ!!16番人気の翔馬くん

あ…


『あの…』


『あっ!』


言いかけたあたしを遮るように、階段を下りたところで翔馬くんは突然声を上げた。


ん?


もしかして…一緒に教室行こうって誘ってくれるの?


あたしは両手を組みながら目をキラキラと輝かせた。


『翔馬く…』


『俺、ちょっと雑誌買ってくるから…。1時間目、サボるって言っといて。』


『へっ?』


あたしは翔馬くんの背中を見つめながらポカンと口を開けた。


そして翔馬くんはというと…


こちらに振り返ることなく、クック…と肩を震わせながら廊下を歩いて行ってしまった。