次の日の放課後

僕は、またjoyfulの前でグダクダと入るのを躊躇しようとしていたが、joyfulの前に店長が笑顔で
僕に向かって手を振って立っていたのですぐ入らざるおえなかった。

店長「こんにちは、こうくん今日からよろしく」

僕 「こんにちは、今日からお世話になります」

店長「ごめんだけど、この店で働くときはこのピン前髪につけてね」

と、見せられたのはピンクのヘアピンだった。

そして、拒む間も無く僕の前髪にはピンクのヘアピンがつけられた。

僕 「えっ....」

店長「ここ、一応人気の理髪店だからダサい髪型は禁止。これつければましになると思って」

僕 「せめて、ピンクじゃ無いのつけていいですか?」

僕は、頼み込むように言った。ピンクのヘアピンをつけて働くなんてごめんだ

店長「ダメだ。君は、ピンクが一番似合うから」

店長は僕が嫌がっているのを楽しむように言った。

そんなやり取りを店長としている時、1人の店員が声を掛けてきた。

「あんた、昨日来た子やんな?
えーーむっちゃちがうやん、数倍かっこええで!しんさん〔店長の事〕この子誰?」

僕は、店長にバリバリ関西弁のタメ語で話すこの女の子にびっくりした。

店長「この子は、こうくん、今日から新しく働くから面倒見てあげて。こう、こちらは君と同じく高校生でバイトで入ってくれてる 夢 ちゃん


夢「これから、よろしく!ここで高校生で働いてたんうちだけやからなんか親近感わくわー
みんな、うちの事、ゆめって呼ぶからこうもそう呼んでな」

こう「高校生、君だけなんだ!よろしく。
僕の事はこうって呼んで!」

店長「それじゃ、また後で夢!今日もいつもの感じで頑張れよ」

夢「頑張りますわー、しんさんもなー」

そして、僕たちは店長の部屋にいった。

店長「夢、面白い子だろ?」

こう「そうですね、なんか僕と同じ高校生なのにしっかりしてるなーって思いました。」

店長「そーだな
でも、夢はメイクが得意なんだけどヘアカットはお前の方が格別、技術が高い。夢も技術はだんだん上がってきたが、まあ、高校生としてお互い得意のジャンルを教え合って伸ばしていけたらいいな」

こう「そうなんですか。えっ、ここってメイクもするんですか?」

店長「そうだよ、知らなかった?
Joyfulではお客様の要望があればカット後に追加料金なしてメイクもするんだ。このサービスは結構人気でほとんどの女性はメイクサービスを受けるよ!こうはメイクできる?」

こう「僕ですか?僕、こう見えてメイクには自信あります。母がメイクアップアーティストしてて小さい頃から母の真似して妹にメイクしてました。母も僕の実力は認めてくれてます。」

店長「ほんと、なんでも出来るんだな。ちょっと感心した」

こう「メイクも、カットもやるのは得意なんですけどやられるのは大の苦手なんですけどね。」

店長「ははは、お前らしいな」

店長「そうそう、あと、これ着ろよ。」

店長が渡してきたのは高そうな服だった。

店長「この店では、オシャレな服装をする事が決まりだから、毎回私が君のためにコーデして服を貸してやるよ」

と親切そうに言った。確かに店員はみんなオシャレな服装をしている。

僕は、着替えさせられた。

Joyfulでは、ダサくいる事は許され無い。

店長「ほら、かっこよくなったな」

と言ってきた。

僕は、自分が、オシャレな人みたいに存在する事が嫌だなぁと、思った。

僕は、ここで月、火、水、木曜日4:30からjoyfulが閉店する7:00まで働く事になる。

給料は、高校生では考えられない額をもらえる
さすがjoyfulだ

でもこんな環境で働く事が苦である事には変わりない。

仕事の内容は、ただ髪を切りメイクすること。

ただjoyfulでは、イケメンOr美人カリスマ美容師が売りだから、ちょっと恥ずかしくなるようなセリフを言わされたり、かっこよく振舞ったりしなくてはなら無い。

じゃないと、もちろん店長や先輩までにも注意されるから物凄く気を使わなくてはなら無いし、何よりも恥ずかしい。

でも、例外がいる。それは夢だ。彼女は見た目は美人であるが、接客中のしゃべり方はもっぱら関西弁でカリスマ美容師とはかけ離れた庶民的な対応し面白いトークでお客様の人気がある。
だから、先輩は、夢には何も注意しないし、夢もマイペースに仕事をしてるから羨ましいなと思う。

僕は夢と仕事後よくおしゃべりをする。

お互いの家族の事や、仕事の悩みなど。

僕にとっていつも明るくて面白い夢は、一番心を開ける同僚だ。

そんな、夢は仕事後いつものように喋っている時によくこんな事をいう。

夢「あんたさぁ、こうやって喋ってたらちょっとイケメンのネガティヴな男子って感じやけど、仕事中、ほんまかっこいいで、たまに告りそうになるもん。でも、あんたの本性知ってるから告らへんけどな ハハハー」

結構すごい事を平気でゆうけど夢は本当に面白いと思う。

そして仕事のあとには、店長が僕に技術の指導をしてくれる。

それは、本当に勉強になる。

祖父と父のカットはすごく丁寧でお客様の要望に忠実だが、店長のカットはダイナミックでお客様に似合うものを提案したりする。

だから、とても新鮮だ。

そうゆう感じで、joyfulでの仕事は大変だが、やりがいを感じるようになった。