Joyful前で、入るの嫌だなぁーとグダクダして
入るのを遅らせていた。
joyfulは、駅から徒歩2分で建物は黒でオシャレな感じだ。
テレビでは何回も見た事があるが、実際来てみると本当に働きたくないと言う思いが大きくなった。

でも、入らなくてはならない。

祖父の言った事は絶対だ。そして、僕はjoyfulの扉を開けた。

「いらっしゃいませ」
僕は、美容師たちにに声をかけられた。

さすが人気店ハキハキした声で客を迎える。

そして、美容師達はみなオシャレに仕事をこなしていた。

僕 「店長に会いたいのですが」僕は思い切ってカウンターにいた、店員に声をかけた。

店員「えっと、店長ですか?どういったご用件
ですか?」

店員は、ちょっと戸惑っている様だ。

すると、店の奥から目の澄んだ背の高い誰が見てもイケメンと言うほどの男性が出てきた。

この人が店長だろうとオーラからもわかった。
店長「こう君?こう君だよね君?」

僕を、見つけた店長は微笑みながら僕に声をかけた。

僕 「はい、そうです。石井こうです。
今日は、よろしくお願いします。」

店長「じゃあ、こっちにおいで」

と奥の部屋に案内した。

その部屋は、店長の部屋だろうなと思われる
黒を基調としたオシャレな造りだ。

僕は、勧められたソファーに座った。

店長と向き合う形で座ると、店長は僕を澄んだ瞳で僕の全てを見抜いている様な目で見た。

そして、いたずらっぽい笑みを浮かべた。

店長「自己紹介してなかったね。僕は早川進で
す。しんさんって呼んで。店員みんなそう
呼ぶから。そして僕はこの店の店長
で、君のおじいさんのちょっとしたお友達
です。」

僕 「しんさん。よろしくお願いします。」
店長「正直の所、どうなの?joyfulで働きたいの
君は?」

店長は、僕の目をじーっと見た。

僕 「えっとー。働きたい!って事は無いです」

僕は変な返答をした。
こんなに率直に聞かれたらうそはつけなかった。
でも、働かなくていいかもと言う希望が生まれた。誰も働きたくない人を雇わないだろう。

店長「だよね、そうだと思った」

店長は楽しそうに言った。

店長「君は、自分でダサく見える様に努力して
るでしょ!髪型とか逆に難しいしそれ
それでも、イケメンって事は隠しきれて
ないけど。」

僕は、がーんときた。自分の全てを見透かされた気がした。

店長「そんな子がこの店で働きたい訳がない。でも、採用してあげる。明日から週4で働いてもらうよ」

店長は僕の反応を楽しむようにいった。

僕は、とんとんと重大な事を決める店長を止めようとあせった。

僕 「僕の技術見ないでいいんですか?」

店長「君の技術が高い事は分かるよ。君の髪型
から」

僕 「いや、そんな...。僕なんか、joyfulに似合わ無いと思いますよ。」

店長「確かに今のままでは、似合わ無い。でも、ちょっと君が変わればこの店のエースになれるよ。君の技術は確かだし。」