「想ちゃん!!久しぶり!」
「あーちゃん‥じゃなくて、アリア?」

私は嬉しい。だって、久しぶりに友達にあえたから。でも、想ちゃんはあまり嬉しそうじゃない。

「‥想ちゃん?」
「アリアはどうしてここにいるの?」

これ以上私のそばにいたら迷惑だと思ったのか、さなと希海は莉子ちゃんと遊びに行った。プレイルームには私と想ちゃんだけ。

「アリア、ここはあなたの来る場所ではないよ」
「どうしてそんな事をいうの?」

想ちゃんは泣きそうに顔を歪めた。

「想ちゃん、お願い、言って。」
「‥嫌だ」
「何で?」
「いやなものはいやなのよ」

答えになっていない答えを想ちゃんは言う。前に会ったときはこんなんじゃなかったのに‥。

「何があったの?」

諦めきれずに問うて来た私に少し呆れつつも、想ちゃんはこういった。

「もう、ここにはこない方がいい。」
「どうして、‥優君に何かあったの?」

優君の名前を出した途端に想ちゃんの表情に変化が出た。

「‥優君に何かあったの?」
「‥それをあなたが知る必要はないわ」

そう冷たく言い放つと、想ちゃんはどこかへ行ってしまった。

「‥話、終わった?」
「の、希海‥。さなと莉子ちゃんは?」
「早苗、今日早く帰るって。莉子ちゃんは病室戻った。」
「そっか。」

希海は多分結構色々聞いていたはずなのに、多くを問わない。そこに希海なりの優しさが隠れていることを私は知っている。

「帰り、話す?」
「‥じゃあ、少しだけ。」

希海の"少し"は希海なりの照れ隠し。本当は"少し"じゃ終わらないのに。

ということでもないけれど、私達はちかくのファストフード店に入った。