向日葵の風

「アリアっ!!」
「さなっ!!」

今日はここ、さざなみ高校の定期試験の日。

実力優秀者のさなこと、「福王子 早苗」は、この定期試験が大好き。私もだけど。

今時珍しいって?
そんな事ないよ。

だってここは、人口千人未満のちっさい町だよ!?高校なんて、二つしか無いんだから。

だから、将来トウキョウだかなんだか知らないけど、おっきな町にでる人は猛勉強だから。

「アリアは決まったの?大学」
「あと二年も先なのに?私は音楽コース受けるから」
「その手があってずるいっ!」

さなだって、その気になれば、お父さんに頼んでなんとでもなるのに‥。と、ぼやきながら、次の化学の問題に目を通す。
さなの家は"この辺では"大きい財閥。つまり、さなはそこのお嬢様ってわけ。

「それよりさぁ、今度のコンクール、体育祭とダブっているんだよね~、どうしよう?」
「そんなんコンクール優先でしょ!?当たり前じゃん。」

言い忘れてた。私は、"この辺では"音楽に力を入れている珍しい家の一人娘。父さんに至っては、「音楽の娘にする!」って意気込んじゃって、始め「ショパン」って名前にされるところだった。まあ、押しとどまって、「アリア」なんだけどね。

「アリア~、数学分かんないっ」
「数学~?どれよ」
そんなこんなんで、今日も平凡な一日が始まろうとしていた。