「…そっか…。 美緒…頑張ったね…」 そう言って希は私を抱きしめてくれた。 「美緒もなんであんな奴を好きになったんだか」 …確かにそれはそう。 自分でも自覚してる。 でも… 「…でも…好きなんだもん…」 「ん。わかってるよ。 じゃあこの際、私も好きな人教えちゃおっかな」 「え⁉︎希、好きな人いたの⁉︎」 そんな話、一度も聞いたことがない。