昔と変わらない鼻を掠める柔軟剤の匂い。
昔と変わらない優しい体温に包まれた事で抱き締められたんだと認識する。



そして、昔より男らしく少し色っぽい低い声が鼓膜を振るわせた。



「大丈夫、俺がいるから。」


と、言う声が。



皐月の体温が感じられ、安心できる。

耳をすましてみれば、トクントクンという心地よいリズムが皐月から聞こえてくる。



「なにがあっても俺が守るから、絶対」



優しい音色で安心させてくれるのに、抱きしめる手は、言った通り「なにがあっても離なさない」というように強く。