いくら嫌いな奴でもあんな顔されたらほっとけないよ。 「永遠、夜なに食べたい?」 突然クルッと私の方に体を向けてそう聞いてくるものだから、 「唐揚げ、食べたい」 「りょーかい!」 皐月は、それだけ言うと早速準備に取り掛かっていた。 手際の良い包丁の音。揚げている油の音。なんだかそんな音がすごく落ち着いた。 唐揚げの揚げる音が聞こえなくなるとダイニングテーブルに次々と料理を並べていく皐月。