楕円形の涙をベランダの床にポツポツと落としていたのが、いつの間にかシャワーの蛇口を閉め忘れたかのようにザーッと降り始めた。 ほら、やっぱり。今日は、いつもより酷いや。 私は、中が見えないようにビシッと白いカーテンを閉めた。 1階へ降りると電気の光もなくただただ、テレビの中の笑い声が部屋を響かせていた。 「……皐月?」 階段のすぐ近くにある〈リビング〉と書いてある上から2番目の電気をパチリとつけようとする。