「……よく、覚えてたね」 ポツリと呟いた声は皐月には、聞こえていたみたいで、 「まーな。ってか、毎回毎回同じの頼まれたら頭からはなれねーよ」 と、口元に弧を描きながらそう言った。 それからこれといった会話もなくお皿とスプーンが擦れる音だけが辺りに響いていた。 最後の一口を口の中に入れると私はお皿を洗い場に持っていき、2階の自分の部屋に上がり一直線にベッドへダイブする。 あー、ヤバイ。すごい痛い。 私は、痛む所を押さえながらを少しでも和らげようと眠りの世界へ入った。