「先生ー、女っすか?それとも男ですか?」



「んー?男」



先生の言葉に男子からは、ショックの声が。女子からは、嬉しそうな声が飛び交う。



「じゃあ、入ってきて」



皆、(主に女子)が期待の眼差しで扉を一斉に見た。



すると、入ってきたのは、175センチくらいの黒髪の男の子。



顔は、まだ見えてないのにドクンドクンと鳴る心臓。



ふわりとこっちを見た瞬間、ずっと鳴いていた蝉の合唱が、一瞬で聞こえなくなり、風がびゅうと吹く。