「なにしゅんのよ」 私は、鋭く皐月を睨むのに怯む様子もなく余裕な顔で頬杖をついている。 「……ぶっさいくな顔」 ニヤリ、と口角を上げ意地悪な顔をする皐月。 「うるさい!」と、言おうとした時、 「はいはい、夫婦喧嘩は家に帰ってしろよー」 先生のそんな言葉に教室がどっとざわめいた。 「ち、違いますから……!」 急いで否定してみるが、誰も聞いてくれない。