たくさんの涙が頬をつたって、服を濡らしていく。



……本当、どこまで幸せにしてくれるの?



「あの……返事、は?」



なかなか何も言わない私に痺れを切らしたのか、不安そうに聞いてくる皐月に思いっきり抱きつく。


思いっきり過ぎて、皐月はバランスを崩し道に倒れ込み、私が上に乗る状態になってしまったけど、今はそんなこと気にしない。



「ずっと、そばにいるに決まってるよ……!バカ、バカ」



ぎゅううと精一杯の力で抱きしめ、返事を返すと、私の強さより何倍も強い力で抱きしめ返された。



私が何度生まれ変わったとしても

何度記憶をなくしたとしても、

最後はやっぱりこの意地悪男に恋をするんだろう。



「皐月、大好き」






Fin.