お前のこと、落としてやるよ。



見慣れた道を無我夢中で走る。


息が切れて苦しいし、サンダルで来ちゃったから走りにくいし、とにかく暑い。


それでも、走って。走って。


丁度タイミング良くバス亭の前に来ていたバスに乗り込む。



もう夕方だからか、人はあまり居なくて、乱れた息を整えながら、開いている一人用の席に座った。



プーと音をたて完全に閉まるドアと共にバスが動き出した。


頬杖を付きながら窓の外を見上げる。


“那月“っていうのは、私の幼なじみで。

皐月の…双子の兄。