お前のこと、落としてやるよ。



恋人繋ぎじゃなくて、握手みたいな遠慮した繋ぎ方だけど、歩幅は私に合わせてくれていて。



安心するし、くすぐったくて。すごく……ドキドキする。



人混みのガヤガヤしたなか、自分の心臓の音が妙に鮮明に聞こえてくる。



『離れたいけど、離したくない。』


そんなジレンマが、私を支配した。



「…永遠、なに食べる?」



いつの間にか随分歩いていたみたいで、辺りを見渡すと屋台の明かりがあちこちから漏れていた。