「なら、浴衣。どうせなら浴衣着ていきなさいよ!お母さんが着ていた浴衣」



いやいや、浴衣なんて気合い入りすぎだって思われるからいいよ!



なんていう私の反論が言えないくらい、光の速さと同じくらいだったであろうスピードで、自分たちの寝室がある方へ走って行ってしまった。



ガタガタ、ゴトンという何かが落ちる音が数回聞こえた後、お母さんが木で出来ている長細い箱を両手に抱え戻ってきた。



箱の蓋を開け、たとう紙に包んでありそれを開けると、薄いピンクの綺麗な浴衣。