「やっぱお前、飲み込み早い。
もう、ほとんど出来てるし大丈夫だろ。暗くなってきたし、そろそろ帰るか」



体を伸ばしながら、教室の時計に目をやり立ち上がる皐月。



「あ……うん。 今日は、助かった」



カバンにペンケースと数学の教科書を入れ、私も続けて立ち上がる。



もちろん家が隣だから一緒に帰っているけど、(同じ方向なんだから仕方ない)沈黙が続いてなんだか、もどかしい。



「……ねぇ、皐月。今日のお礼に何か飲み物買ってあげようか?」