「嘘つけ、バーカ。気付いてるんだよ。 お前が、俺の教科書じゃなくて俺の方見てんの」 「!?」 頬杖をつきながら、馬鹿にした顔でこちらを向いて淡々と言うから驚いてしまった。 「ったく、次はちゃんと聞いとけよ」 口では呆れたようにそう言ってるけど、丁寧に分かりやすく一から教えてくれた。 「あ、分かった!じゃあ、次はこ、 れ、……」 私が指さした手に、皐月が自分の手を重ねてくる。