「本当に可哀想だな……。暑い学校行くなんてー」 チラチラ私の方を見ながら棒読みで言う皐月に、ついイラッとして、 「……教えて、下さい」 挑発に乗る私は、馬鹿なのでしょうか。 皐月は、満足そうに笑うと「んで、どこが分かんないの?」と言いながら机の上から降りて、私の机に引っ付けてくる。 「えっ、と…ここ」 教科書を数ページパラパラっと捲って、考えても考えても分からなかった所を指さす。