憎まれ口を叩かれて、キッと睨む。 「……うるさい、黙れ」 「本当のことだろ?……だって、10点じゃん」 いつの間に私の机から取ったのか、皐月の手には先程職員室で先生から返された10点と赤でデカでかと書かれた(もちろん100点中)私の小テスト。 「……っ!!返して!」 皐月の方に手を伸ばしてみるものの、ヒョイっと、いとも簡単に交わされてしまう。 「相変わらず数学だけ壊滅的なんだな」