__………無理矢理襲うね 金縛りにあったように動けなくなる私。 「あ、……あ」と掠れた声しか出ない。 芙実ちゃん、桜ちゃん。どちらでも良いから気が付いて。 そんな願いも虚しく二人は、楽しそうに笑っている。 それに比例して、だんだん赤茶髪の男の顔も近付いてくる。 ……助けて、誰か。……助けて、皐月! __……バンッ! 騒音を破るくらいの大きな音で開いたドアの方にみんなが注目する。 ……なんなのよ、……ピンチの時に来るなんて、ヒーローじゃない。