桜花からの告白の返事を済ませた俺の目に飛び込んで来たのは、朝早くから雅也と百合菜ちゃんが二人で話している所。

俺の中に憤りのない感情がうごめき つい雅也に当たってしまった。

教室を飛び出した俺は屋上に来ていた。授業に戻る気すら起きなかったからだ。

ガチャ。

まばゆい光が目に入り込んでくる。次第に目が慣れてきた俺は、ある人影を捉えた。

「桜花…早いな」

「翔さんが呼んだんですよ?わざわざ授業サボったんですからね!」

そう言って頬を膨らます桜花は正直可愛い。

「ごめん…」

「いいんです。私、翔さんの為なら何でもしますよっ?」

「ちょっと話を聞いてくれないか?」

俺は桜花に全てを話した。

百合菜ちゃんへの気持ち。
自分から進めない気持ち。
親友に当たった気持ち。

全部話した。桜花は黙って聞いてくれていた。それだけで俺は、楽になれた気がした。