From..

そんなことを思っていると教室に雅也くんが飛び込んで来た。

「百合菜！翔見なかったか…！？」

雅也君は相当慌てているように見える。こんな雅也君、初めて見るよ……。

「ううん。見てないよ」

「あいつ…馬鹿やらねーだろうな…」

「翔君に何かあったの…？」

何だか、とても嫌な予感がした。

「百合菜は朝早く来てるから知らないと思うけど実は今一年生の階ではある噂で持ち切りなんだ」

「ある…噂？」

雅也君はとても言いにくそうな顔を浮かべた。雅也君は黙り込んでしまった。

「お願い…教えて」

必死に雅也君を揺さぶると、やっと雅也君は重い口を開いてくれた。

「一年のアイドル水城 桜花が翔に告白したっていう噂だ」

ドクン。私は胸が締め付けられた。

「そ……それで結果は？」

「まだ、分からない」

嫌だ。嫌だよ……。何て私は馬鹿なんだろう。
今更になって、あなたの大切さを知りました。

私の生活に色を添えてくれていたのは、あなただったんだね？

「……翔君」

「百合菜、心配すんなよ。翔なら大丈夫だよ」

私は、決めた。翔君が帰って来たら伝えよう。

この気持ち。

溢れるばかりの、あなたを想う気持ちを。