「話を戻すぞ。まず班員を紹介する。翔班は翔・美紀・渡。百合菜班は百合菜・静香・俺。異存はないな?」

皆が口を開けないのを見て雅也は続ける。

「翔班はここ、雛菊駅を拠点に探してくれ。雛菊駅から二丁目の境までかな。百合菜班は三丁目から四丁目」

「分かったわ。でもラブちゃんを発見したらどうすればいいの?」

静香が疑問を口にした。確かに作戦がないと素早い標的は捕まらないだろう。

「そこがこの作戦のキモだ。翔。二丁目と三丁目を繋ぐ橋があるの分かるか?」

「あぁ。雛菊新橋だろ」

ここ雛菊町は二丁目と三丁目の行き来には橋が用いられる。言い換えれば 二丁目と三丁目を自由に行き来するにはこの橋を渡るしか手段がない。

「ここまで言えば分かるだろ。見つけたらまずは必ず連絡を入れる。そしたらその橋に追い込むんだ。まぁ挟み打ちだな」

「雅也くん凄い!!それなら絶対見つかるよ!」

百合菜ちゃんは嬉しそうに声をあげる。何だかそれが妙に鼻につく自分がいた。

「早く出発しましょう!」

「まあ待て。翔。ちょっとこっち来い」

美紀のはやる気持ちを抑え、雅也は俺を呼んだ。