From..

次第に教室が活気を取り戻したように騒がしくなる。雅也に続いて、みんなが登校して来たからだ

「みんなおはよっ！」
「おはようございます」

静香と美紀が話の輪に入って来た。すると美紀につられてか渡も輪に加わった。

「翔さんと百合菜は何の話してたんですか？」

美紀が開口一番そう尋ねて来た。

「将来一軒家に住むかマンションに住むかで二人で悩んでたよ」

雅也は笑いながらそう答える。

「ち…違うよ！！」

俺と百合菜ちゃんは顔を真っ赤にして否定する。

「いいねぇ、少子化は二人で食い止めるんだよ？」

静香もニヤニヤして俺らを見てくる。

「も……もう、いい加減にしてよ！！私と翔君はそんな関係じゃないよ！」

グサッ。

「そんなに真っ赤になって否定して怪しいですね〜」

「もう美紀まで……。そんなことないから、絶対！！」

グサグサッ！

「ね、翔君も否定してよ！！って、翔君？大丈夫……？」

百合菜ちゃんは、すっかり石化した俺を揺さぶる。そんな俺を、百合菜ちゃんを除く皆が哀れみの色を込めて見つめていた。