あの話を聞いてから私は百合菜先輩を見に行ったことがある。

容姿端麗で、控え目で、相手を立てる様な人。

とても私なんかが勝てるような相手ではないことを悟った。

だけど…その気持ちとは裏腹に、私の若葉先輩は思う気持ちはどんどん大きくなっていた。

「…いちよう処方箋の方出しておきます」

医者の言葉に私はハッと我に返る。

「もう少し肩の力を抜いた方がいいですよ?」

私は医者に軽く会釈をして、診察室を後にした。