「あはは!あいつまたそんなことしたのかよっ」

蓮池先輩と椎名先輩はお腹を抱えて笑っている。

「良くあることなんですか?」

「あいつは天性のお人よしだからね。雨降ってる日に、傘貸して自分は濡れて帰る奴だから」

「え…?そんなことまで……」

玲菜と葵は驚いてる。

「だから本当だって言ったじゃん」

私は少し得意げだ。

「キミが翔のこと好きなの?」

椎名先輩が私を指差して尋ねる。

「いや…ちょっと気になっただけで…」

「ふーん。くそっ…何で翔は可愛い子にモテるんだろう…」

蓮池先輩は悔しそうに呟く。

「……翔先輩ってモテるんですか?」

「本人は自覚してないけどね。あいつ馬鹿だし」

「桜花も、全力で頑張らなきゃね」

「別に私は……」

「そうだ。三人ともメアド教えてよ」

私と玲菜の会話をいい所て遮り、蓮池先輩は携帯を取り出す。

「お前…美紀一筋じゃないのかよ?」

「人脈は持っといた方がいいって」

蓮池先輩と椎名先輩のそんなやりとりを聞きながら、私達はいちよう連絡先を交換してファミレスを後にした。