「若葉 翔先輩か……」

あんな優しい人も世の中にはいるんだなぁ…。
何か…素敵だなぁ。

ブーブー。

ポケットに入れていた携帯が振動する。

着信中 玲菜。

私はため息をついて玲菜からの電話に出た。

「もしもし?」

「もしもし?じゃないわよ!今どこにいるの?」

電話越に玲菜の金切り声が響く。

「……学校の近く」

「何してんのよ?早く来なさいよ」

「コンタクト忘れちゃってさ…。眼鏡もいちよう持ってきてるんだけど…何か行く気分じゃないのよね」

私、眼鏡似合わないからなぁ。

「…早く来ないとチョコレートデラックスパフェおごってもらうわよ」

「え…!?分かった!行く行く!」

私は玲菜からの電話を切って、眼鏡をかけて、髪を整えてから学校へと向かった。

チョコレートデラックスパフェは結構、財布を圧迫するのよ……。