昨日と同じ時間の電車に乗り、昨日と同じように駅からは走る。

まるで昨日を繰り返してるようだ。

私は一人でそんなことを考えて、小さく笑った。
その為か前方の注意を怠ってしまった。

ドシン!

私は前から来た人と正面からぶつかってしまった。

「ま……また人とぶつかっちゃった。俺は人を引き寄せるのか…?」

また?その言葉が頭に引っ掛かった。

私は顔をあげてその先輩の顔をみた。思った通り、昨日の先輩だった。

「先輩!ごめんなさい」

「怪我はない?」

「…ちょっとクラクラするけど…大丈夫です」

先輩は私に手を差し延べてくれた。だけど…先輩の手はぼやけていた。

…ぼやける?そこで私は異変に気付く。

どうやら ぶつかった拍子にコンタクトレンズが取れてしまったのだろう。

さっきのクラクラも急激な視力低下による現象だったのだ。

てか冷静に分析してないで早く探さないと…。

私は手探りで地面を探り始めた。