佐久良高校の最寄り駅である銀杏駅からずっと走って来た為か、私は少々疲れてしまった。

私はちょっとの間休もうと思い足を止めた。
すると向こうから佐久良高生の声がすることに気付いた。

私は好奇心からか玲菜の約束も忘れて、声のする方へと足を向けた。

「……俺A型だから」

近づくにつれ、目の前の状況が把握できて来た。

おそらく、何が原因か分からないが、綺麗な先輩が怪我してしまったのを見兼ねて、男の先輩が絆創膏を渡したのだろう。

……優しいじゃん。

私は少しその男の先輩に好感が持てた。

私が声をかけようと思ったその時、綺麗な先輩が男の先輩を引きずって行ってしまった。

あ……私も玲菜待たせてるんだった!

私は急いで、その先輩達の後を追うように、佐久良高校への道を辿った。