俺はB組の様子を扉の外から確認した。

「謝るのは私の方だよ……し……翔君ごめん…」

「じゃ…あ…俺達前みたいに戻れるかな…?」

「遅すぎたよ…翔君…」

「え…?」

その百合菜の言葉を合図に俺は声を発した。

「俺達さっきから付き合うことになったから」

「如月 令志……」

若葉が信じられないといった目で俺を見る。

「う…嘘だろ…?」

「ホントだよ。令志君と私は…付き合ってるの」

俺は若葉を思いきり叩いた。こんな不甲斐ない男初めてだ。

「てめぇ!」

若葉の友達は敵意を剥き出しにして俺を睨み付けてくる。

「二度と百合菜に近づくな。次は容赦しない」

俺はそう言い残し、自分のクラスへと戻った。

百合菜を泣かせるようなことしてんじゃねぇよ。俺が心の奥で呟いていたことを誰も知らない。