「可愛い…」

百合菜ちゃんにあげたのは百合の花をかたどったようなネックレスだ。

「これ本当にもらっていいの……?」

「百合菜ちゃんにあげたんだから。貰ってくれなきゃ困るよ」

俺がそう言うと百合菜ちゃんは、まじまじと百合のネックレスを見つめた後に俺に聞いて来た。

「これ今つけていい?」

「だめ」

俺は百合菜ちゃんからネックレスを取った。

「え……?」

百合菜ちゃんは明らかに戸惑っていた。それはそうだろう。あげるといったのに取られたのだから。

俺はそんな百合菜ちゃんの首に手をかけた。

「ひゃっ…」

百合菜ちゃんがくすぐったそうな声をあげる。

チャリ。

百合菜ちゃんの首にネックレスが飾られる。

「俺が付けてあげる」

百合菜ちゃんは顔を真っ赤にしていた。俺もきっと赤いんだろうな……。

「似合ってるかな…?」

「うん……可愛いよ」

自然と口にだして言えた言葉。

今なら…自分に素直になれそうな気がする。