ガチャ。
扉が開いた。

「どなた…かしら?」

どこか百合菜ちゃんに似てる面立ちを持っている女性が出て来た。

もしかして、お母様!?

「……百合菜さんの友達です」

「…もしかして翔君?」

「へ…?そうですけど…何で僕の名前を?」

俺はお母さんに名乗った覚えはない。何で知ってるんだろう?

「いつも百合菜から名前聞いてるから覚えちゃったわよ」

百合菜ちゃんからいつも聞いてる…?その言葉に俺の胸は高鳴る。

「そうなんですか?」

「そうなのよ。そりゃあもう耳にタコが出来るくらいね」

俺は照れて言葉を発することが出来なかった。

「ところで、あなたは百合菜の彼氏……?」

「…もうすぐ彼氏です」

百合菜ちゃんのお母さんは何かを悟ったらしく
百合菜ちゃんを呼んでくれた。

「百合菜ー!彼氏が来てるわよー!」

「ちょ…お母さん!!」

「百合菜を頼むね」

そう言って百合菜ちゃんのお母さんは家の中へ入っていってしまった。