「どうしよう…」
「やっぱやめようかな」
俺が百合菜ちゃんの家の前に来てからすでに30分が経過していた。
呼び鈴を押そうと手を伸ばすのだが…勇気が出なくて手を引っ込める。
これを延々繰り返していたのだ。周りの人からは、変な目で見られていることだろう。
…ポストに入れて帰ってしまおうかな。そう思った時だった。
「翔先輩…何してるんですか…?」
「えっ?桜花?」
振り向くとそこには桜花がいた。
「い…いや別に。桜花こそ何してたんだ?」
「私は…翔先輩にクリスマスプレゼントを渡そうと家に向かう途中でしたよ?だけど…ここに翔先輩がいるってことは…」
桜花は『浅香』の表札を見る。
「どうやら受け取ってもらえなさそうですね…」
「ごめん…」
「いいんです!うすうす分かってました。翔先輩は百合菜先輩のとこにいるんだろうなぁって」
桜花は白い息を吐いて、空をぐっと見つめる。
「翔先輩。私の言ったこと覚えてますか?」
「……何だっけ?」
「…好きな人には全力でぶつかっていく、です」
俺は、あの時を思い出した。それは桜花が俺に告白してくれた時に言った言葉だ。
あの時…『百合菜』と呼び捨て出来たのも…桜花のおかげだった。
「翔先輩忘れないでください!例え百合菜先輩と付き合っても…私絶対諦めません」
「…ありがとう」
「……じゃあ頑張って下さい。30分間も何してるんですかぁ?」
「な……!」
そう言い残すと桜花は舌を出して手を降りながら駆けていった。
「余計なお世話だよ」
俺はクスッと笑い百合菜ちゃんの家の呼び鈴を鳴らした。
『好きな人には全力でぶつかっていく』
その言葉が俺に勇気をくれた。
「やっぱやめようかな」
俺が百合菜ちゃんの家の前に来てからすでに30分が経過していた。
呼び鈴を押そうと手を伸ばすのだが…勇気が出なくて手を引っ込める。
これを延々繰り返していたのだ。周りの人からは、変な目で見られていることだろう。
…ポストに入れて帰ってしまおうかな。そう思った時だった。
「翔先輩…何してるんですか…?」
「えっ?桜花?」
振り向くとそこには桜花がいた。
「い…いや別に。桜花こそ何してたんだ?」
「私は…翔先輩にクリスマスプレゼントを渡そうと家に向かう途中でしたよ?だけど…ここに翔先輩がいるってことは…」
桜花は『浅香』の表札を見る。
「どうやら受け取ってもらえなさそうですね…」
「ごめん…」
「いいんです!うすうす分かってました。翔先輩は百合菜先輩のとこにいるんだろうなぁって」
桜花は白い息を吐いて、空をぐっと見つめる。
「翔先輩。私の言ったこと覚えてますか?」
「……何だっけ?」
「…好きな人には全力でぶつかっていく、です」
俺は、あの時を思い出した。それは桜花が俺に告白してくれた時に言った言葉だ。
あの時…『百合菜』と呼び捨て出来たのも…桜花のおかげだった。
「翔先輩忘れないでください!例え百合菜先輩と付き合っても…私絶対諦めません」
「…ありがとう」
「……じゃあ頑張って下さい。30分間も何してるんですかぁ?」
「な……!」
そう言い残すと桜花は舌を出して手を降りながら駆けていった。
「余計なお世話だよ」
俺はクスッと笑い百合菜ちゃんの家の呼び鈴を鳴らした。
『好きな人には全力でぶつかっていく』
その言葉が俺に勇気をくれた。

