「ふー結構歌ったな」

結局クリスマスに暇を持て余してる俺、雅也、静香は今カラオケボックスの中にいた。

「翔もさー。早く告っちゃいなよ」

静香が痺れを切らしたように切り出す。

「早くしないと百合菜に悪い虫がついちゃうよ」

静香の忠告も最もだ。百合菜ちゃんは可愛いので先輩、後輩からも結構人気なのだ。

「百合菜みたいな可愛い人がお前のことを好きなんて奇跡なんだからな」

「雅也……。それちょっと言い過ぎじゃね?」

俺はキッと雅也を睨む。

「紫音に気使ってんならやめろよ。紫音はお前のこと好きだった。だけど紫音はお前に幸せになって欲しかったんだ」

「幸せに……?」

「そうだ。紫音は何よりも翔の幸せを願ってたんだからな」

「紫音にとっての幸せは翔の幸せ何だと思うよ」

雅也の言葉に静香も続けて言う。

「そっか……」

「そうとなったら…百合菜へのクリスマスプレゼントを買いに行こう!」

雅也は静香と俺を引っ張りカラオケボックスから出る。

突拍子もない雅也の行動に俺も静香も着いていくのが精一杯だった。