終業式が終わって俺はいらない通知表を手にした。

また家庭科の5以外は、3なんだろうな……。

大きく息を吐いてから、通知表をそーっと開くと、俺はある欄で目が止まった。

今までは3だった体育が4になっていたのだ。

紫音との特訓が効いたのかな…?

「えっ…!?翔の通知表に家庭科以外に4があるぞ!」

渡が大声を出す。その声に雅也、静香、美紀はもちろん、百合菜ちゃんまでもが驚いてこっちを見た。

「何勝手に見てるんだよ!」

俺は渡を叩く。

「えっ?体育が4?翔あんた裏金でも渡したの」

笑えない冗談を吐いてくるのは静香だ。

「実力だよ実力!」

俺は自信に満ち溢れた顔を浮かべた。

「へーそう」

渡と美紀はいかにも興味ないような感じでいちゃいちゃし始めた。

たまらなく不愉快だ。

「でも…翔君確かにたくましくなったよね?」

フォローしてくれるのは百合菜ちゃんだ。

やっぱり優しいなぁ…。
俺は途端に機嫌が良くなる。

「そうだ!このメンバーでカラオケ行かない?」

雅也が急に提案した。

「私達は…ちょっと…」

美紀と渡はいかにも
申し訳なさそうな空気を醸し出す。

「あー二人でいちゃいちゃするのか…百合菜はどうなの?」

「私の家はクリスマスは家族で過ごすんだ…ごめんね?」

百合菜ちゃん来ないのか 俺は少々がっかりした。

「しょうがない。華のないこのメンツで行くとするか」

雅也のその言葉を聞いた途端に、俺のパンチと静香のローキックが炸裂した。