「おはよー」

今日はクリスマス。これで今年学校に来るのは最後だ。

「おお翔。おはよ。いつも通り遅刻ぎりぎりなんだな」

雅也は呆れを通り越したように俺に言う。

「クリスマスだからといって早く来ちゃ何か嫌だろ?」

「まぁ元気そうで何よりだよ。紫音のことで病んでるんじゃないかと思ったよ」

「そんなこと紫音が1番望んでないだろ?」

俺の答えに雅也は驚いたような顔をしていた。
が、すぐに表情を崩した


「分かってりゃいーんだよ」

俺は少し照れて鼻を指でこする。

「後は百合菜に告るだけだな。ラブレターの謎も解けたしな」

「お前何でラブレターのこと…?」

「実は4月にはもう紫音から聞いてたんだよな」

雅也には何でも言うんだな。紫音のやつ。

「早く百合菜に告れよ。いい加減じれったいぞ」

「まだ紫音がいなくなってから日が浅いだろ?……だからさ…」

雅也はため息をついて言い放った。

「…分かってねーな」

そう言うと雅也は他の友達と話に言ってしまった

分かってない…?
俺には雅也の言葉の真意が掴めなかった。