その後俺達は他愛もない話で盛り上がった。

気がつくと、どっぷり日が暮れてしまっていた。

「もうこんな時間か……百合菜ちゃん帰らないといけないんじゃん?」

「うん…長々とお邪魔しちゃってごめんね?」

百合菜ちゃんは申し訳なさそうな表情を浮かべている。

「大丈夫だよ。俺も一人でいたらずっと泣いてたかもしれないしさ」

「……紫音。向こうでも元気でやってるかな?」

百合菜ちゃんは遠くの空を見つめながら呟く。

「俺達のこと見守ってくれたり……な?」

その時、部屋に飾っていた写真が落ちた。

「これ……夏に皆で撮った写真だよね?」

もちろん紫音も写っている。

「ホントに見守っててくれてるのかもな?」

「だったらいつまでもメソメソしてるわけにもいかないよね?」

「うん……」

その時、一瞬…ほんの一瞬、写真の中の紫音が笑ったかのように見えた。

けど…
そんな訳ない…よな?