すると俺の声に反応するように紫音は起きた。

「おはよう紫音。もう11時だぞ」

「し……翔?何でここにいるのっ!?」

それはこっちのセリフだ と言いたいのを抑えて、俺は今までの事情を軽く説明した。

「なるほどね……。起きたら隣に翔がいたからびっくりしちゃったよ!」

紫音はうんうんと頷いていた。

「ところで紫音は何でここにいるんだよ……?」

その言葉に紫音は一瞬びくっとしたようだったがすぐに笑顔を取り戻した。

「軽い貧血かな?」

「前も貧血じゃなかったか…?」

ラブちゃんを捜索してた時も、貧血って言ってたような……。うーん……。

「私鉄分不足なの!そんなことより、おじいちゃん退院したんだね!元気になって良かった!」

「えっ…ホントに?」

「だってここ、おじいちゃんの病室だった部屋だよ?」

そう言われてみれば……。確かに見覚えのある部屋だとは感じていた。

しかし、俺の頭にはある疑問が浮かんだ。……余命六ヶ月。確かに俺はそう聞いた。

あれは聞き間違いだったのか?あれが本当なら、
今のおじいちゃんは余命一ヶ月となる。

何かおかしい。

俺は無い知恵を振り絞って考えてたが、疲れが溜まっていたせいもあってかすぐに眠りについてしまった。