俺どうなったんだっけ?

確か、朝熱を計ったら昨日よりも上がってて……。それで学校行くって行って母さんに止められて……。

それで……。

「紫音っ!!」

そこで俺はベッドから勢い良く起き上がった。

その拍子に誰かと頭がぶつかってしまった。

「痛いなぁ……急に起き上がらないでよ!」

目の前にはナース服の早苗さんがいた。どうやら俺は早苗さんに頭突きをかましてしまったらしい。

「すいません早苗さん。でも何で早苗さんがここにいるんですか?」

「病院に私がいちゃ悪いのかしら?」

そこで俺は、ここが、普段と違う風景であることに気付いた。

布団ではなくベッドに寝ていて、左腕には点滴が繋がれている。

「俺……?」

「家を出た瞬間に倒れたのよ。だから止めとけって言ったのに。……まぁ無事で何よりね」

母さんの言葉に俺は申し訳ない気持ちでいっぱいになる。

「疲れが溜まってたんですよ。今日一日は入院してくださいね?」

早苗さんは俺にそう言って病室を出ていった。

母さんも仕事へと向かったようだ。

母さんには悪いことをしたな……。

そこで俺は、ふと隣のベッドに寝ている少女に目を向けた。

そのまま目は少女に釘づけになってしまった。

「し、紫音……?」

それは紛れも無く紫音であった。さっきまで探していた紫音はこんなに近くにいたのだ。