嫌な予感ほど良く当たるものだ。

「ガムテープ使っちゃダメなら初めからちゃんと言えよ!!」

「ダンボール余ってないのかよ!!」

「早く外出許可証に印鑑押してくれよ!!」

様々なクレームが寄せられてくる。文化祭実行委員は各クラス一人ずつ。
つまり12人しかいないのである。

猫の手も借りたいという表現はまさに今この場のことを指すのであろう。

俺ら実行委員は、時に優しく、時に苛立ちながら応対していった。

そんな中、俺は体中に悪寒が走るのを感じていた。フラフラする。

また熱が上がって来たのだろうか?

しかし、俺は何も知らない実行委員長にダンボール調達を依頼された。

俺は同じ実行委員である桜花に自転車を借りて学校周辺のスーパーやコンビニを駆け巡った。

そのコンビニの中で美紀と渡のカップルを見かけた。少しイラッと来た。

「……B組はどう?」

「まぁぼちぼちだな…って翔お前大丈夫か?」

俺に言葉を返そうとした渡は俺の顔を見て驚く。

「絶対ちょっと休んだ方がいいですよ!顔色すごく悪いですよ?」

美紀も心配してくれているようだ。

しかし美紀の心配を嘲笑うかのように着信が入る

着信中 令志

「翔!またいざこざが起きたんだ!早く戻って来てくれ!」

令志の声が辺り一面に響き渡る。

俺は渡と美紀に力無く別れを告げると学校への道をたどった。