「ちょっとちょっと!痛いってば!!」

「次どっちですか!?」

「………右です」

引きずっていることを謝る事なく、冷静に道を尋ねてくる彼女…。

正直怖い…。
俺は今初めて女性に恐怖心を抱いた。

「あ…!あれですね!」

「体育館はその入って左に見える建物だから!」

「そうですか!!本当にありがとうございます!!!それじゃあ!!」

そう言うと繋いでいた手を離し、体育館へと駆けていった。

…俺は、ほったらかしですかい!!

俺は軽く制服についた砂や汚れを払い落とした。

もう走る気力もない…

俺は重い足取りで体育館へと歩を進めた。
朝からとんだトラブルに巻き込まれたな……。

ま、綺麗な子に出逢えただけ、良かったというところかな?