曲を踊り終えた男子達は息が切れながらやりきった表情をしている。

「人生でこんなことするとは…思わなかったよ…」

敬太がついにやってしまったという思いで言う。

「ほらっ!そんなこと言ってないで!スマイルスマイル!」

誠二はテンションが高い様子で言う。

「ヘイヘイ…」

「どーだ?あいつ笑ってっか?」

大河は興奮しているみたいだ。
そんな男子達とはうってかわって義一は

「…。何やってんだお前ら…。」

と怒りを押し殺して声を出す。

「いっ嫌~…。ちょっとウケねらいで…。」

勇人は義一が怒っているのを察して義一の為にやったとは言わなかった。
が、義一はわかっていたように

「どーせ俺の元気がねーからってやったんだろ…。ふざけたことしやがって…」

「ちょっと!そんな言い方ないでしょ!皆が義一の為にやってくれたんだよ!?義一が…元気ないからって…それなのに…!!」

真莉奈は熱くなって言った。
しかし義一は

「もういいって言ってんだよっ!!ほっといてくれよっ!!」

義一は叫びながら教室を飛び出した。

「ちょっ!待ってっ!!」

真莉奈はそう言いながら義一の後を追った。
教室には静けさが戻った。
その時、勇人が口を開いた。

「余計なこと…しちまったのかな…」

もう一度教室は静かになった…