「ハァ~。」

義一がため息をついた。

「またため息ついてる~!」

真莉奈が義一に話しかけた。

「立ち直らないと天国のムクが泣くぞっ!!」

また始まった…。最近真莉奈はこればっかりだ…。

「お前はムクじゃないだろ…話しかけるな…」

「そんなこと言わなくても良いでしょ~!!第一中学三年生にもなった男の子が一ヶ月も毎日毎日ため息ばっかついて…格好悪いぞ!」

「お前には関係ない話だろっ!!ほっとてくれよっ!!」

義一は怒り気味に言う。

真莉奈もめげずに対抗する。

「人が心配してるのにほっといてくれはないでしょっ!!そんなにため息ついて…飽きないの??」

「飽きる飽きないの問題じゃないだろ!お前は…お前はムクがなんで死んだのか知らねぇから…そんなことばっか言えんだよ…。」

「んじゃあ、なんで死んだの…??」

「んな事……っ!?」

義一の脳裏にその時の記憶が蘇った。
その時、義一が取り乱し出した。

「あぁ…ムク……ごめん…あぁ…あぁ…」

「ちょっちょっと大丈夫っ!?」

あわてて真莉奈がとめにはいる。
義一は息が切れている。

「ハァ…ハァ…ハァ…」

義一が正気に戻った。

「ごっごめん…」

「嫌…大丈夫…気にしないでくれ…」